2009-02-19

経済的思考

朝から久しぶりの青空・・・それに気温も高い。
シドニーの「雨季」は終ってしまったのか。。。
どっちにしろ、半袖の季節が再びやって来たのは確か。

日本の昨年の第4四半期のGDPの下落が、年率換算したら-12.7%という
話は数日前にしたけど、その時のNewsで日本のマスコミが訴えていたのは、
企業の投資の下落と消費の大きな下落。
だけど、消費の下落は年間値で-0.4%。
毎月20万円消費してた家庭が、19万9千2百円になっただけ・・・
これは、家庭支出の大きな下落に当たるんだろうか??
20万円のうちの800円は誤差の内なんでは??

日本と大きく違う欧米の支出の考え方・社会構造とは・・・まず社会保障。
いわゆるサラリーマンの収入を考えてみると、
Australiaの制度は、雇用者が基本給の9%以上を給与とは別に、
各社員の年金口座に払い込まなければならない。
日本との大きな違いは、払われた給与から年金保険料を搾取されるか、給与の外で貯められるか。
だから、給与額を比べると、もちろんAustraliaには日本のような6ヶ月分のBonusが
年収に入ってる訳ではなく、給与水準は低いし所得税が50%近い事を考えると日本の比ではないけど、
将来のことを考えると、年収500万円の人が全く昇給も無く、20歳から60歳まで40年間働くと、60歳の定年時に約1800万円。
それを、40年間運用すると、最低倍以上になってるハズだから、定年後の生活を考えずに日々の消費をする事ができる。
言い換えれば、今日・明日今月の給与で生活できれば、定年後は生活できる。

例えば、住宅ローン。
日本では、35年ローンは、35年間で完済できるように計算されてるけど、
Australiaでは、毎月の利息分さえ払えば督促される事はない。
考え方が単純で羨ましいと思うのは、賃貸の家賃は利息分を払ってるのと同じで、引越しする時は物件は自分の物ではない。
家を購入しても、家賃より安い利息分を払い続けて、引越しする時は物件を売却して残金を返済したらいい。
だから、購入して利息分だけ払ってる方が支出は少なくて済む。

例えば、自動車ローン。
最近は、日本でもトヨタが「3年分ください」って言ってるけど、
ローンの基本は、新車代から3年後・5年後の予想残価を引いて、残価を月割で支払う。
いわゆる使用料だけの支払いが、車を所有する時の主流。
逆に言うと、中古車市場は安定して広まってるから、高級車の「使用料」も日本よりも安くて済む。

例えば、Credit Card。
日本では、毎月の使用分を支払うのが基本。
ところが、これは全世界でも珍しい、日本だけのCredit Cardの使用方法。
欧米では、日本で言う「リボルビング払い」が基本。
毎月、限度額に見合った最低返済額さえ払っていれば、全くおとがめ無し。
Credit Cardを使って、ATMで現金を引き出すのも普通。
Credit Cardの限度額一杯まで買い物をし、現金を引き出し、毎月利息分だけ返済する。
と言うのが、普通の使用方法らしい・・・そういう意味で、VasaもMasterも日本では
加盟店の数%の手数料しか入らず、欧米に比べて利益率が滅法低いらしい。

定年後の将来が確約されていれば、今日の給与水準が低くても、ボーナスが無くても、
人々の消費は増えるし、経済の好循環になるんでは。。。
所詮、人間は欲望の塊で、将来を考えて貯蓄をしようと思いながら消費するか、
目の前にある資金を今全部使っても手に入れるか。

ちょっと、仕組みを変えるだけで、日本の消費水準も変わると思うんだけど。。。

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