2010-06-05

感覚英語:過去形と不可能性

過去形:
当然、現在よりも前に起こった事実を表現するのが「過去形」のハズなのに、起こってない事や起こる訳がない事を表現するときにも「過去形」の単語を使うことがある。
それは、英語に限った事ではなく日本語でもそういう使いかたをしているのに気がついた。
これも、言語学的・文法的に正しいのか、何と言うのか知らないけれど。。。

英語の前に日本語の例を挙げてみると、
「食べたら死ぬ」と「食べると死ぬ」・・・この「食べた」という過去形と「食べる」という現在形の違いは?
少なくとも、両方ともまだ食べて無くて、動詞の過去形を使っても過去の事実を表現してる訳ではない。
「食べたら・・・」は、まぁ食べる訳無いだろうけど・・・という仮定の話で、
「食べると・・・」は、確実に死ねるよ・・・という絶対的な事実
英語でも全く同じで、
If you ate it, you would die.
If you eat it, you will die.

親が子供に、
「100点取ったら1000円あげるのに」・・・100点なんて不可能と思っている
「100点取ったら1000円あげたのに」・・・100点取れなかった事実
この、知らないうち「過去形」「現在形」をミックスして使っているのが、国語では習わず英語だけで習った「時世の一致」なんだと思う。

この、過去形が持っている「不可能性」「非現実性」が、Can・Will・Shall・Mayの過去形だと日本の学校で習ったCould・Would・Should・Mightにそっくり含まれている。
だから、「WouldはWillの過去形=未来系の過去形」なんていう事はすっかり忘れた方が良い・・・もし、そんな風に習ったのなら。
Will・Shall・Mayの間には「可能性」の程度の違いがあると言ったように、Could・Would・Should・Mightの間には「不可能性」の程度の違いある。
ここで言う
「可能性」とは、自分の意思として、どちらかと言えば「できる」と思っていること。
「不可能性」とは、自分の意思として。どちらかと言えば「できない」と思っていること。
日本語で俗にいう「・・たら」「・・れば」と同意に使われるのは、みんな「過去形」。


現実的な英文の例として、
1)
疑問文にCould・Wouldを使うと丁寧語になるというのは、「きっと受けてもらえない無理なお願いですが・・・」という謙虚さが含まれるからで、全く過去の事象とは関係ない。
Would you open the window? 「もしできれば、窓をあけてもらえますか?」
Could you come with me? 「無理でしょうけど、できれば一緒に来てもらえますか?」

2)
「過去形」とは言え、時世には全く関係ないので、未来の事にも使える。
Will you work tomorrow? 「ひょっとしたら、明日は仕事する?」
Do you work tomorrow? 「明日は仕事する?」
Would you work tomorrow? 「(予定外だけど)明日仕事してもらえる?」
もちろん、前後の会話の状況で、多少のニュアンスの違いがあっても、だいたいこんな意味の違いになるはず。

3)
上司に何かを聞かれて、
自信を持ってこれしかないと言えるのは、It is xxx.
多分間違いないけど、こうかな、It will be xxx.
答えが分からないけど、とりあえず何か言わないとまずいし、It would be xxx.

4)
スポーツのチームで、内心は自分が一番上手いと思っていても、
I would be the best player in the team.
と謙遜しないと・・・そうではないという「不可能性」が含まれている。
決して「昔は1番だった」なんていう過去の事に関することではないことに注意。


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(注)日本の学校の英語教育に準拠していない事も多々有り得るので、試験では学校で習った通りに回答してください。

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