2009-05-20

運転免許制度


久しぶりに、雨音で目が覚めるほど降っていたかと思えば、
昼間は青空も顔を出し、また帰宅時にドシャ降りと・・・
こんな天気が1週間近く続くらしいので、シドニー旅行を計画中の方は、
インフルエンザを理由に延期した方が良いですよ!!


4月19日の「もみじマーク」の最後でお約束のAustraliaの運転免許制度について。
Australiaとは言え、運転免許は各州で発行され制度も若干違うので、
ここではNSW州の場合。と言うことで。


日本と大きく違うのは、「自動車学校」という学校が無いし、
運転免許取得への入口は16歳から。
16歳以上なら、DKT(Driver Knowledge Test/学科試験)を受けることができる。
試験に出る問題は、Internet上にある600問の中から出るので、
自信が付くまで無料で何度でも練習する事ができる。
この試験はPC画面上の選択問題で、一般知識を12/15以上、
路上安全知識を29/30以上正解した場合に、「L」(Learner/仮)免許が取得でき、
黄色の「L プレート」を付けて、「本免許」保持者の同乗で路上を走ることができる。

自動車学校が無いので、家族や友人で「本免許」と「車」を所持する人に頼んで
車を借りて観察同乗してもらうか、路上練習専門の会社の車で同乗してもらうかする。
この「L」免許は5年間有効で、1年以上120時間以上(20時間の夜間運転を含む)
の路上練習を記録して、初めて実技試験を受ける資格ができる。
この「L」免許期間の制限は、
  O 最高速度80km/h
  O 酒気無し
  O HandsFreeを含む携帯電話禁止
  O 牽引禁止


路上実技試験に合格すると、「P1」(Provisional-1/暫定-1)免許が取得できる。
「P1」免許は18ヶ月有効で、赤い「P プレート」を付けて、同乗観察者無しで走る事ができる。
日本の「初心者マーク」のようなもの。
しかし、若者の事故が多いので、毎年のように制限が増えている。
  O 酒気無し
  O 最高速度90km/h
  O 反則点3点で取消
  O 25歳以下の場合、23~5時の間は21歳以下を一人しか乗せられない
  O HandsFreeを含む携帯電話禁止
  O Speed違反は3ヶ月の免許停止
  O 8気筒以上エンジンの車の運転禁止
  O Turbo Charger・Super Charger付きの車の運転禁止
  O 改造エンジン車の運転禁止
  O その他の高出力エンジン車の運転禁止


「P1」免許を取得して12ヶ月経つと、HPT(Hazard Perception Test/危険認知試験)
の受験資格ができる。
HPTもPC上で行われ、危険な状況下での対応を試される。
HPTに合格すると「P2」免許が取得できて、「P プレート」を赤から緑に変える。
その上、「P1」に比べて制限項目が緩和される。
  O 酒気無し
  O 最高速度100km/h
  O 反則点6点で取消
  O 8気筒以上エンジンの車の運転禁止
  O Turbo Charger・Super Charger付きの車の運転禁止
  O 改造エンジン車の運転禁止
  O その他の高出力エンジン車の運転禁止


「P2」免許を取得して24ヶ月経つと、DQT(Driver Qualification Test/運転者適応試験)
の受験資格ができる。
このDQTに合格すると、晴れて「本免許」が取得でき、特別な制限項目が解除される。
長々と書いたように、最短期間で一発合格し続けても、制限無しの「本免許」取得には
L-1年、P1-1年、P2-2年で4年間かかり年齢も20歳。
これだけ、制限された運転を3年も続けると、その後暴走行為に移る事はほとんど無いらしい。

ちなみに、日本の普通車運転免許所持者は、もちろん日本の国際免許で運転できますが、
日本の運転免許とそれの英文訳があれば、筆記・実技両試験を免除され、
3年以上の免許歴があれば、いきなり「本免許」の取得ができます。
Australiaで生活するには、日本と同様に身分証明書として必需品です。

2 件のコメント:

  1. 最後のパラグラフのところに対しての質問です。日本の免許証と英文訳をNSW州に提出して筆記・実技両試験なしで「本免許」を取得するとき、日本の免許証は取り上げられてしまいますか。

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  2. 取り上げられません。

    オーストラリアでは、違反を逃れる為の不正を防ぐ為に、複数国の運転免許保持を許していません。
    従って、オーストラリアの免許取得の条件として他国の免許の無効化があり、穴があけられます。
    が、現実は何もされませんでした。


    しかし、日本の運転免許証は、公文書で公文書偽造にあたる恐れがあるので、日本領事館はホームページで以下のように言っています。

    ニュー・サウス・ウェールズ州の自動車運転免許証を取得した外国運転免許証所持者は、外国免許証の文字、写真にかからない部分(影響のあまり出ない部分)にRTA窓口担当者が、穴開け(ホールパンチング)、ハサミによる部分カットを行っています。
    日本の自動車運転免許証は公文書であり、形式の一部に変更が加えられると、公文書変造と疑われ、免許証としての効果に問題が生じるおそれがあります。そのため、RTAと当総領事館との間で、「NSW license issued(date)」と免許証の裏側に裏書き(エンドース)する取り決め(1999年7月7日付)を行いました。裏書をすることによって、日本の運転免許証の効力をニュー・サウス・ウェールズ州内で無効にできるからです。しかし実情は、RTAの全窓口職員にまで周知徹底されておらず、裏書ではなく穴あけをしようとする職員がいるのです。
    当館としても「穴開けされた」という相談を受けるたびに、RTAへの是正依頼を行っています。もし、穴開けされそうになったらその自衛措置として、RTAの係員に以下の様な申し入れを行って下さい。
    The Japanese Government has an agreement with the RTA that not to punch a hole in Japanese Driver’s license. Could you endorse the back of the license,not hole punch, please.
    それでも窓口係員がホールパンチを行おうとする場合は、RTAのLicensing Policy Managerに問い合わせを行うよう依頼し、それでも応じない場合は、担当者名を聞いた上で、総領事館宛直接電話していただきたいと思います。
    日本の自動車運転免許証は公文書の性格を持っているため、様式に変化が加えられた場合、公文書の変造になる可能性があります。つまり、ホールパンチまたはカットされた場所次第で、免許証として使えなくなる場合があります。
    不安のある方は日本に帰国される前に公安委員会、警察署、運転免許センター連絡を入れ、ホールパンチされた理由を説明するとともに免許証として使えるかどうか確認して下さい。
    その結果、無効な免許証になるおそれがあると判断された場合は、免許証の再発行をされた方が良いでしょう。 詳細については再発行されようとする公安委員会または運転免許センターに確認して下さい。

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