2012-08-31

有給休暇が流れる

日本では、よく聞かれる表現で、有給休暇が取り難いだけでなく、その権利さえ失効してしまう。。。
と言う・・・外国人から見ると何とも理解し難い事象が日本では常識になっている。

日本の労基法第39条では
使用者は、雇入れの日から起算して6箇月間継続勤務し、全労働日の8割以上出勤した労働者に対して、継続し又は分割した10労働日の有給休暇を与えなければならない。
パートタイム労働者であっても、実質6箇月以上勤務すれば有給休暇を与えなければならない。

その法的な意図は
休日のほかに毎年一定日数の有給休暇を与えることによって、労働者の心身の疲労を回復させ、労働力の維持培養を図ること。
と言うことは、日本の労働者は、法的に与えられた心身の疲労回復させて労働力の維持培養するチャンスを奪われてしまっている事になる。


なぜ、そんな事が日本で起こってしまうかを個人的に考えてみると理由は2つ。
o 年次有給休暇は、2年の消滅時効がある。
o 使用者は、年次有給休暇を労働者の請求する時季に与えなければならないが、与えることが事業の正常な運営を妨げる場合は他の時季に与えることができる。
この2つを考え合わせると、経費削減を狙って恒常的な人員不足の状態が続いていれば、有給休暇の申請を却下・変更できる。
そうしている内に、2年が経てば消失してしまう・・・いわゆる流れてしまう。


有給休暇に消費期限があるなんて、知っている限りでは先進国で日本だけ・・・何とも使用者に好都合な法律。
個人献金が無く、企業献金に頼らなければいけない日本の法律下では簡単に納得できる状況!?


例えば、オーストラリアでは、入社したその日から年間20日の有給休暇が与えられ、1ヶ月経過する毎に月割りした休暇が与えられる。
日本の有給休暇計算式では、6ヶ月間休暇が無いし、年間20日の休暇を得るには6年半以上勤務しなければならず、頻繁に数年で転職する人の多い欧米豪では休暇が極端に少なくなってしまう。
こんな段階的な付与規定があるのも、終身雇用が基本だった日本ならでは。

その上、オーストラリアでは、消費期限は無いし突然の辞職を考慮して、使用者は有給休暇相当の資金を確保しておかなければならない。
言い換えれば、日給1万円相当の社員100人が平均20日の有給休暇を未使用で居ると、2000万円の使えない現金を確保しておかなければならない・・・だから、企業は有給休暇の取得を促進する。
日本とは逆で、40日以上有給休暇を持つ社員には、強制的に取得させることができる。


結論から言うと、
日本は、社員が休暇を取り難い環境を作れば会社の得。
オーストラリアでは、社員に休暇を取らせないと会社の損。
お国柄と言ってしまえばそれまでの話だけれど、同じ人間として「心身の疲労回復させて労働力の維持培養」の機会は誰にでも与えて欲しいもの。。。


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